最近公表された中国のマクロ経済データの中で、貿易黒字が焦点となっている。中国税関の統計によると、2006年1月から5月まで、中国の貿易黒字は467億9千億ドルに達した。月ごとの貿易黒字はほぼ100億ドルに上り、さらに5月は130億ドルという貿易黒字の最高値を更新した。
貿易黒字の増加は、国内外の経済貿易環境の変化や、関連する政策調整などの原因が直接反映した結果だ。
今年の貿易黒字の要因には、(1)国が引き続きマクロ調整を行い、投資の規制緩和をし、国内の生産規模をさらに拡大した。その結果、消費財と生産資材の市場が共に供給過剰となり、輸入への需要がやや下降した(2)産業構造の転換により、元来は米国や欧州に対して貿易黒字だったが周辺国から、中国に対米貿易黒字が転換された(3)原油と関連商品の価格が大きく上がり、国内の消費能力を上回ったため、輸入が抑制された(4)中国の貿易構造では加工貿易が大きな比率を占めており、客観的に貿易黒字を拡大している――が挙げられる。
全地球的に貿易を見れば、各国の外国貿易総額には黒字や赤字がつきもので、、不均衡なのは何ら異常な事態ではない。世界貿易機関(WTO)加盟後、中国の貿易は輸入も輸出も大々的に行っており、全体としては均衡している。
2004年と05年は、中国の貿易黒字が輸出入総額に占める割合は、04年が2.8%、05年が7.1%に過ぎなかった。貿易黒字は、マクロ経済の安定維持に役立つ。ただし注意すべき点として、現在は貿易黒字の絶対額がかなり大きいので、中国の国際貿易における立場は、日ごとに「気まずさ」を増している。輸出が直面する貿易摩擦は更に激化し、06年1月から5月までに、18の国と地域が中国に対し、32回のWTO貿易救済調査を起こした。金額は4億8千万ドルに相当する。一部の貿易パートナーは「貿易の均衡」を口実に人民元相場をめぐり圧力をかけている。しかし多額の貿易黒字により、外貨準備高が急速に増え、人民元への交換も増えるだろう。
貿易黒字が比較的大きな傾向は、一定期間続くだろう。貿易均衡の促進について、最も根本的かつ急がれるのは、対外貿易の成長モデルの転換だ。生産コストが低いのは中国の優位な点だ。毎年、世界の消費者1人あたり、中国産の靴1足、布2メートル、衣服3着を購入している計算だ。しかし、低コスト路線は、既にその限界を露呈している。中国が輸出する資源は、環境に与えるリスクが非常に大きく、付加価値が低い。自分達のブランドや知的所有権、独自の技術は非常に少なく、加工貿易にかなり依存している。機械電気製品やハイテク製品を例に取れば、その輸出ルートと中核技術は、外国企業に押さえられている。
したがって、更に進んだ措置を取るべきだ。例えば輸出品に対する税を返還する制度を利用して、輸出入を調節する手段がある。これにより、エネルギー消費が多く、環境汚染に結びつきやすい商品の輸出を抑制し、粗放型の悪循環から抜け出すのだ。輸入品の増値税(付加価値税)を調整し、輸入増加を積極的に推進する。特に国内で不足しているエネルギー、資源、ハイテク産品や、鍵となる設備の輸入を加速させる。さらに重要なのは、ブランドが、貿易大国に仲間入りするカギを握っていることだ。中央政府、地方、各企業はなるべく早く協力し、国際競争力を持つブランド群を創りだし、輸出構造を改善し、外国貿易の持続的な成長を促進すべきだ